空気の流れ確保が大事 このところ、ライトコート(吹き抜け)付きマンションや、空中廊下型マンションをあまり見かけなくなり、いいことだと思っています。空中廊下型マンションは、昭和51年に藤和不動産の六本木コープという物件で、私が日本で初めて設計しました。当時は廊下が住戸と1メートル強離れ、プライバシー確保のために考えて設計したのですが、竣工・入居後、藤和不動産より私のところに電話がありました。入居者からのクレームです。問題は、空中廊下側の洋室の窓から泥棒が侵入したとのことでした。設計では、廊下と住戸が1メートル以上離れていましたし、高級マンションなのでオートロックを設置しましたので、洋室の窓に面格子を付けなかったのです。それが災いいたしました。泥棒はオートロック扉を入居者の方と一緒に入り、空中廊下を支えている梁を伝わり、窓が開いていた洋室の住戸へ侵入しました。入居者は外出する時に安心して、換気のために窓を少し開けていたそうです。ですので、管理人の方にお願いして、入館者のチェック強化と、「外出時には窓の施錠のお願い」の回覧を回してもらい、事なきを得ました。
もう一つの問題は、上階の空中廊下から下階の住戸洋室内がよく見えるとのことでした。特に夜はレースのカーテンだけですと、室内が明るいのでよく見えました。この点も、入居者に夜はドレープ(厚手の布地)のカーテンを閉めるようにお願いいたしました。ライトコート付きマンションも同様の現象があります。外廊下に面したライトコート面の洋室窓ガラスはすべて型板ガラス(不透明)にして対応しました。専用部分にライトコートを付けたマンションを設計した時、また問題が起きました。まず一つは、ライトコートが共用部分に面していないので、1階のライトコートの庭部分の清掃ができないとのことでした。この件は3階建てでしたので、屋上から丸環にロープを結んで清掃人が降りて、半年に1回程度清掃することで、解決いたしました。二番目の問題は、窓ガラスが消防の指導で網入りガラスになっていたので、熱割れを起こしひびが入ってしまったことです。このライトコートは4面壁に囲われていて、空気が流れないので夏は熱気が溜まってしまい、こういう現象が起きたのです。施工したゼネコンの技術研究所に依頼して対策方法を考えてもらい、サッシとガラスのすき間を大きくすることで解決いたしました。ここでの反省点は、ライトコートは絶対に外廊下等、外部に面して設けないと、空気が流れないので、こういうことが起きるということでした。